NBAドラフト2024 予習 : 体力測定 前編

広告

ひゃー!もうドラフト日本時間明後日ですってよ!って、これ書き終わるころにはドラフト明日になってるんだよきっと…(なってた🙄

引き続き、NBAドラフトコンバインとGリーグエリートキャンプでの測定結果を見ていきましょう。
今回は体力測定のスピード・アジリティ系の種目、3/4 Court Sprint、Lane Agility、Shuttle Runの3つ。

身体測定については、過去記事で。
身体測定 前編(身長・体重)
身体測定 後編(Standing Reach・Wingspan)

体力測定の数値がない選手

今年からドラフトコンバインは招待された全員の参加が必須になりましたが、やむを得ない理由がある場合には免除されます(詳細は過去記事参照)。

身体測定前編の時に書いたように、身体測定結果はNBA公式サイトに全員分掲載されていますが、体力測定は数値のない選手が6名います。
Terrence Shannon Jr. / Tyon Grant-Foster / Robert Dillingham / Kevin McCullar Jr. / Ariel Hukporti / Nikola Topic

グラント=フォスターくんは測定しなかった理由は不明ですが、アーリーエントリーを撤回してカレッジに戻っています。

ケビンマカラーくんはカレッジのシーズン終了後に手術をしてコンバインの時も松葉杖だったそうです(参考)。トピッチくんも6月のはじめにACLを負傷しているので、この2人はケガのために免除だったのではないかと思います。

テレンスシャノンくんとロブディリングハムくんは、当日ケガのためシューティングドリルと体力測定には参加していないということでした(参考)。ディリングハムくんについては、後日完了したと報じられていました(が、公式に数値が入ってないんですけどっ!)。テレンスシャノンくんは後日測定したという情報は見かけてないですが、公判もあったのでやむを得ない理由ということで免除されたのかもしれません(これは勝手な推測)。

Ariel Hukportiくんだけが、どうして測定してないのかわからなかったのですが、まぁとにかく数値がありません。

あ、あと前述の6名以外に、アレックスカラバンくんのShuttle Runだけ数値がないんですが、カラバンくんもカレッジに戻っています。

マカラーくんとテレンスシャノンくんは、過去のドラフトコンバインやGリーグエリートキャンプの測定結果があり、ディリングハムくんはUK公式の測定値が一部公表されるので、余力があったら後編の時にでもまとめておきます。

では、本題。

身体測定についてはドラフトコンバインとエリートキャンプの測定をまとめて見ていきましたが、体力測定はそれぞれで見ていきたいと思います。PITについてはまた特筆したいとこだけ書いてます。
Draft Combine Strength & Agility | Stats | NBA.com
2024 G League Elite Camp Official Testing Results – The NBA G League
2024 Portsmouth Invitational Tournament Measurements and Athleticism Testing

名前に* 印がついているのは、エントリーを撤回した選手です。

3/4 court sprint

ドラフトコンバインのスプリント

ドラフトコンバインの3/4 Court Sprintで一番速かったのは、デビン・カーターくん (Davin Carter) の2.87秒。 はえー。この2.87秒はドラフトコンバインの測定史上最速です。ドラフトコンバイン以外のプレドラフト測定を含めても、手元のデータを見る限りでは最速でした。

2番目に速かったのはリース・ビークマンくん (Reece Beekman)とジャマール・シェッドくん (Jamal Shead) の2.94秒。

デビンカーターくんはコンバイン史上最速だと言いましたが、そもそもNBA公式にある2000年以降のドラフトコンバイン(プレドラフトキャンプ時代を含む)で3秒未満だったのは、今年の3名を除くと7名しかいないんですよ。同じ年に3秒未満が3名いるのもドラフトコンバイン史上初です。

次いで、ジャミール・ワトキンスくん* (Jamir Watkins)が3.01秒、ジョナサン・モボくん (Jonathan Mogbo)が3.02秒。ここまでがドラフトコンバインのTOP5です。

ちなみに昨年2023年のドラフトコンバインで一番速かったのはテレンスシャノンくんの3.06秒だったんですが、今年の測定で3.06秒未満だった選手は8名います。

ここまで速いと昨年と測定方法とかなんか違いがあったのかなーと思っちゃいますね。そういえば過去にもやたら速い年があったような気がするな(曖昧な記憶)。

ドラフトコンバインの3/4 Court Sprintで一番遅かったのは、ドノバン・クリンガンくん (Donovan Clingan)の3.46秒。クリンガンくんのスプリント測定の動画があるので、置いておきますね。

2番目に遅かったのは、ペイトン・サンドフォートくん* (Payton Sandfort)の3.43秒、3番目に遅かったのはザック・イーディくん (Zach Edey)の3.42秒でした。

今年のドラフトコンバインの3/4 Court Sprintの平均は約3.19秒でした。

エリートキャンプのスプリント

エリートキャンプの3/4 Court Sprintで一番速かったのは、ジャミーア・ネルソン・Jrくん (Jameer Nelson Jr.)の3.05秒。 身体測定の時にも書きましたが、その名のとおりジャミーアネルソンさんのご子息です。

2番目に速かったのは、マシュー・マレルくん* (Matthew Murrell)の3.09秒、3番目に速かったのは、テレル・バーデンくん (Terrell Burden)の3.11秒。

次いで、マーク・アームストロングくん (Mark Armstrong)が3.15秒、トリスタン・エナルナくん (Tristan Enaruna)が3.16秒で、ここまでがエリートキャンプのTOP5。

トリスタン・エナルナくんはオランダ出身で、高校の途中から米国でプレーしてます。
カレッジはKansasで2シーズン、Iowa Stateで2シーズン、Cleaveland Stateで2シーズンプレー。今年のPITにも出場して、MVPを受賞しました。

エリートキャンプの3/4 Court Sprintで一番遅かったのは、ジェードン・レディーくん (Jaedon LeDee)の3.56秒。 2番目に遅かったのはティエリー・ダーランくん* (Thierry Darlan)の3.54秒、3番目に遅かったのはキーオン・ブルックス・Jrくん (Keion Brooks Jr.)の3.53秒。

キーオンブルックスくんは、アイザイアスチュワートくんと一緒だった高校(La Lumier)時代からずっと気にかけているので、思い入れの深いSenior選手の1人です。カレッジはKentuckyで3シーズン、Washingtonで2シーズンプレーして、All-Pac-12 First Teamに選ばれました。

ちなみに4番目に遅かったのウゴンナ・オニエンソくん* (Ugonna Onyenso)で、5番目に遅かったのはガーウェイ・デュアルくん* (Garwey Dual)で、ティエリーダーランくんも含め、Standing ReachやWingspanの特に長いコたちが名を連ねてるんですが、ここら辺は長さでカバーできるんですかね。

今年のエリートキャンプの3/4 Court Sprintの平均は約3.3秒でした。

PITのスプリント

PITの3/4 Court Sprintの平均は約3.4秒でした。

PITのスプリントで一番速かったのは、エリック・ゲインズくん (Eric Gaines)の3.09秒でした。身体測定編の最初っから読んでくれてる方達は、そろそろエリックゲインズくん覚えてきたんじゃないですかっ。わっはっは。

しつこくエリックゲインズくんの動画置いといていいですか。

ちなみにですね、今年のPITのフルゲーム動画は公式配信されたものを無料で見ることができるので、気になる方は以下のサイトで。
PrepSpin+

Lane Agility

ドラフトコンバインのアジリティ

ドラフトコンバインのLane Agilityで一番速かったのは、KJ・シンプソンくん(KJ Simpson)の10.49秒。一番速いタイムとしては、他の年と比べて若干遅めな気がします。

2番目に速かったのは、ダルトン・コネクトくん (Dalton Knecht)の10.56秒、3番目に速かったのはニコラ・ジュリシッチくん (Nikola Djurisic)とデビン・カーターくん (Devin Carter)の10.63秒。ここまでがドラフトコンバインのTOP5。

ダルトンコネクトくんのアジリティ測定動画を置いておきますね。

ドラフトコンバインのLane Agilityで一番遅かったのは、ジャスティン・エドワーズくん (Justin Edwards)の12.07秒。2番目に遅かったのは、ドノバン・クリンガンくんの12.06秒、3番目に遅かったのは、コールマン・ホーキンスくん* (Coleman Hawkins)の12.05秒でした。

クリンガンくんのアジリティ測定動画を置いてきますね。上に動画を貼ったコネクトくんと比べると、ちょっと動きがもさっとしてる感じはするかなどうかな。

ドノバンクリンガンくんのLane Agilityは2番目に遅いですが、同様にサイズの大きいのザック・イーディんくんのLane Agilityは平均よりもちょっと速い11.19秒でした。

ちなみに靴なし身長6-10以上で一番速かったのは、クレル・ウェアくん (Kel’el Ware)の10.97秒で、2番目がイーディくんです。

今年のドラフトコンバインのLane Agilityの平均は約11.22秒でした。

エリートキャンプのアジリティ

エリートキャンプのLane Agilityで一番速かったのは、アレン・フラニガンくん (Allen Flanigan)の10.24秒。これは今年のドラフトコンバイン、エリートキャンプ、PITの測定をあわせて一番速いです(というかPITで一番速かったのもフラニガンくんでした)。

フラニガンくん、Auburn時代にアイザックオコロくんと背格好似てるなって思ってて、ついにその答え合わせができるじゃんって思ったけどオコロくん測定してなかったよ…

2番目に速かったのは、マシュー・マレルくん* の10.42秒、3番目に速かったのはゼイビアン・リーくん* (Xaivian Lee)の10.48秒。

ここまで3名ともドラフトコンバインのLane Agilityで一番速かったKJシンプソンくんよりも速いです。

あとは、 ウォルター・クレイトン・Jrくん* (Walter Clayton Jr.)が10.52秒、ケイレブ・ラブくん *(Caleb Love)が10.54秒でここまでがTOP5。 フラニガンくん以外の4名はエントリーを撤回しています。

エントリー撤回してますけど、おもむろにケイレブラブくんのハイライト動画を置いといていいですか。来季もカレッジで見れるのほんっと嬉しい♡

エリートキャンプのLane Agilityで一番遅かったのは、ウゴンナ・オニエンソくん* の12.55秒。2番目に遅かったのは、ジェードン・レディーくん* の12.4秒、3番目に遅かったのはクラレンス・ダニエルズくん (Clarence Daniels)の12.02秒。

今年のエリートキャンプのLane Agilityの平均は11.27秒でした。
速いコたちの記録を見るとドラフトコンバインより速いけど、平均ではエリートキャンプの方が0.03秒だけ遅いです。(まぁ同じくらいといえる)

PITのアジリティ

PITのLane Agilityでも一番速かったのはアレンフラニガンくんだと書きました。PITの測定では10.242秒でエリートキャンプでの測定とほぼ同じです。これ安定して同じくらいのタイムがだせるってすごいのかな。

PITのLane Agilityで2番目に速かったショーン・イーストくん (Sean East II)も、PITとエリートキャンプの両方で測定しいるんですが、PITでは10.267秒で2位、エリートキャンプでは10.81で6位でした。

今年のPITのLane Agilityの平均は約11.4秒でした。

Shuttle Run

Shuttle Runの測定について

ドラフトコンバインでは、Shuttle Runの数値は1つしかないけど、エリートキャンプでは左右別々に数値が記録されています。

ドラフトコンバインでは、左右どちらかのライトがランダムに点灯して、ライトの点灯した方向へスタートする方式だと言われています(参考)。規定回数トライして一番よいタイムが採用されます。なので、選手によって左右どちらのタイムが採用されているかは違うはずです。

エリートキャンプの仕様は不明ですが、あらかじめ左右どちらに向かうかを決めて、それぞれを測定している可能性があります。

で、エリートキャンプからドラフトコンバインに追加で招待された選手たちなんですが、エリートキャンプの測定結果には左右それぞれ、ドラフトコンバインには1つだけ数値が掲載されています。エリートキャンプの良い方のタイムもしくは平均かな…と思ったんですが、どうやらそのどちらでもないようで、もしかしたらShuttle Runだけ測定しなおしてるのかもしれないです…が真相は不明なので、該当する選手については別にしておきます。

ドラフトコンバインのシャトルラン

ドラフトコンバインのShuttle Runで一番速かったのは、ダルトン・コネクトくんの2.79秒。コレクトくんはLane Agilityも2位でしたね。

シーズン中もさることながらトーナメント…特にPurdue戦のコネクトくんすごかったよねぇ。

2番目に速かったのは、トリスタン・ダ・シウバくん (Tristan Da Silva)とディロン・ジョーンズくん (Dillon Jones)の2.82秒。

あとは、ユーリッシュ・ショムシェくん (Ulrich Chomche)、トリスタン・ニュートンくん (Trisen Newton)、ペイトン・サンドフォートくん (Payton Sandfort)の3名が2.84秒でした。

ショムシェくんのカタカナ表記について、Nike Hoop Summitのロスターメモった時にも書いたけど、名前の本人発音はこの動画で聞けます。(動画の13:25くらいのとこから)

ドラフトコンバインのShuttle Runで一番遅かったのは、ドノバン・クリンガンくんの3.38秒。2番目に遅かったのが、デビッド・ジョーンズくん (David Jones)の3.3秒、3番目に遅かったのはマーク・シアーズくん* (Mark Sears)の3.26秒でした。

4番目に遅かったアレックス・サーくん (Alex Sarr)のシャトルラン測定動画があったので置いておきますね。

エリートキャンプからドラフトコンバインに呼ばれた中で遅かったのは、ネークワン・トムリンくん (Nae’Qwan Tomlin)の3.54秒で、ダントツで遅いです。2番目に遅かったのは、ブギー・エリスくん (Boogie Ellis)の3.33秒。前述のドラフトコンバインのコたちに含めると、2人ともワースト5に入ります。

今年のドラフトコンバインのShuttle Runの平均は約3.03秒でした。

エリートキャンプのシャトルラン

Shuttle Runの項の最初に書いたように、エリートキャンプは左右それぞれのタイムが記録されてるので、左右両方とも速いコたちを順不同であげておきます。

エリートキャンプのShuttle Runで速かったのは、ウォルター・クレイトンくん* の左2.833秒・右3.033秒、ゼイビアン・リーくん* の左3.018秒・右3.047秒、ショーン・イーストくんの、左2.985秒・右3.087秒あたりです。

左右どちらも遅かったのは、ジェードン・レディーくんの左3.758秒・右3.891秒あたりかな。Yongxi Cuiくんは左が極端に遅くて4.072秒。(右は3.559)
Shuttle Runの4秒台とか初めて見たな…

今年のエリートキャンプのShuttle Runの平均は、左が約3.306秒、右が約3.315秒でした。
個別に見ると左右で極端にタイムが違うコがいるんだけど、平均しちゃうとそんなに変わらないんだな。左が得意なコと右が得意なコが同じくらいずついるのかもしれないですね。

PITのシャトルラン

PITのShuttle Runが一番速かったのは、ショーン・イーストくんの2.871秒。

今年のPITのShuttle Runの平均は、3.2秒くらいでした。

ショーン・イーストくんは、元々はClass of 2018で、インディアナ州のNew Albany HSでプレーしていました…とここまで読んで気づいた方もいるかもしれないですが、ロミオ・ラングフォードくんの高校時代のチームメイトです。

これは2018年の記事で当時の動画もついてます。
New Albany’s Sean East breaking out as Romeo Langford stars

アタシ当時からロミオくん大好きだったので、高校の試合もけっこう熱心にチェックしており、ショーンイーストくんのこともその後もうっすらと気にかけていました。

ショーンイーストくんは高校卒業後に1シーズンPost Grad Prepでプレーをして、2019年からカレッジでプレーしています。カレッジでも1年目はUmass、2年目はBradleyとD1校でしたが、3年目の2021-22はJucoでプレーしました。翌年2022-23にMissouriにトランスファーしてD1復帰、Missouriで2シーズンプレー。
紆余曲折なカレッジ時代ではあったと思うけど、最終年はD1のオールスターゲームに出場し、PITでAll Tournament Teamに選ばれ、エリートキャンプに招待されたのホントによかった。

Lane AgilitとSuttle Runにはコツがあるらしい

2021年のチャド・フォードさんの記事にこんなことが書かれていました。
アスレチックトレーナーにテクニックを教われば、Lane AgilityとShuttle Runの結果をよくすることができるから、チームにはあまり重要と見なされてないとかなんとか。

Lane Agility and the Shuttle Run measure lateral quickness and the ability to change directions quickly. Teams typically regard these as less important drills because players can often ace these tests with proper technique taught by athletic trainers.

Draft Combine Athletic Testing – by Chad Ford

あとがき

次回は体力測定ジャンプ系。
ここまではドラフト前に書けそうな気がしてきたけどどうだろー。

あんまり見直しとかしてないので、おかしなとこあったらお知らせいただけると助かります🙏

コメント