NBAドラフト2025: 体力測定 後編

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では引き続きNBAドラフトコンバインやGリーグエリートキャンプでの、測定結果を見ていきます。
今回は体力測定のうち、Standing Vertical Leap(垂直跳び)とMax Vertical Leap(助走ありジャンプ)の結果と、最高到達点TOP5など。

身体測定結果やスピード・アジリティ系の種目については過去記事で。
身体測定 前編 (身長・体重)
身体測定 後編 (Wingspan・Standing Reach)
体力測定 前編 (3/4 Court Sprint、Lane Agility、Shuttle Run)

ドラフトコンバイン参加者で体力測定値のない選手については、体力測定 前編を参照してください。

すべての測定結果はそれぞれの公式サイトで見ることができます。
エリートキャンプからドラフトコンバインに追加招待された選手の数値は、エリートキャンプで測定されたものなのでエリートキャンプ扱いにしています。

▽NBA ドラフトコンバイン
Draft Combine Strength & Agility | Stats | NBA.com
▽Gリーグ エリートキャンプ
2025 G League Elite Camp Official Testing Results – The NBA G League
▽P.I.T
2025-PIT-Final-Tournament-Stats.pdf(PDF)

※なぜか同じページが何回も繰り返し出てくるので、12ページ以降を見るのがよさそう

名前に * 印がついているのはエントリーを撤回した選手です。

Standing Vertical Leap (垂直跳び)

助走のないジャンプです。日本語でいうところのいわゆる「垂直跳び」というのはこれですよね。
測定時の動画がいくつかあるので置いておきますね。

ドラフトコンバインの垂直跳び

ドラフトコンバインのStanding Vertで一番高く跳んだのは、ドレイク・パウエルくん (Drake Powell) で37.5インチ (約95.5cm)。 今年のドラフトコンバインではダントツの高さです。
測定動画があるので、置いておきますね。なんか着地が軽〜い感じに見えるの不思議。

2番目に高かったのは、ジェイボン・スモールくん (Javon Small) と チャズ・ラニアーくん (Chaz Lanier) の33インチ (約84cm)。

チャズラニアーくんはカレッジ最初の4シーズンはNorth Floridaでプレーして最後の1シーズンだけTennesseeでプレーしました。 Tennesseeでの1シーズンで決めた3PTシュート123本は、Tennesseeのシングルシーズン記録で、SEC史上でも6番目に多いとか(参考)。
チャズくんの今年のNCAAトーナメントのまとめハイライト動画が公式から出てるので置いておきますね。

次いで、セドリック・カワードくん (Cedric Coward)、ジェイロン・ムーアくん (Jalon Moore)、ジェレマイア・フィアーズくん (Jeremiah Fears) が32.5インチ (約82.5cm)。

ドラフトコンバインの垂直跳びで一番低かったのは、デリク・クイーンくん (Derik Queen) で23.5インチ (約57cm)。 2番目に低かったのは、カマン・マルアチくん (Khaman Maluach)、ダニー・ウルフくん (Danny Wolf)、ダリオン・ウィリアムスくん* (Darrion Williams)、ボゴリュブ・マルコビッチくん (Bogoljub Markovic) の24インチ (約61cm)。

数値的に3番目に低かった選手も複数いて、ディンク・ペイトくん (Dink Pate)、ジョナイ・ブルームくん (Johni Broom)、キャム・ジョーンズくん (Cam Jones) の24.5インチ (約62cm) でした。

Gリーグからのアーリーエントリーだったディンク・ペイトくんはGリーグ イグナイトにいた選手です。
Class of 2024だったところ高校を早期卒業(Class of 2023に変更)して、イグナイトと2シーズンの契約をしたものの(参考)、1シーズン終了したところでイグナイトが消滅したため、昨季はGリーグのチームでプレーしていました。ちょっと気の毒だったよね…Gリーグでのハイライト動画を置いておきますね。

ドラフトコンバインでの垂直跳びの平均は、約29インチ(約73.5cm)でした。

エリートキャンプの垂直跳び

エリートキャンプの垂直跳びで一番高かったのは、ドラフトコンバインにも追加で招待されたヤニック・コナン・ニーダーハウザーくん (Yanic Konan Niederhauser) の33.5インチ (約85cm)。

ニーダーハウザーくんはスイス出身で、NCAAでプレーする前の2021-22シーズンはドイツのプロリーグでもプレーしていたそうです。NCAAではNorthern Illinoisで2シーズン、Penn Stateで1シーズンプレーしました。
Big Ten公式から30分くらいあるハイライト動画が出てるので、置いておきますね。

2番目に高かったのは、ラモント・バトラーくん (Lamont Butler) の32.5インチ、3番目はケイレブ・ラブくん (Caleb Love) の30.5インチ、次いでチェイス・ハンターくん (Chase Hunter)が30インチで、この4名がが30インチ超え。

しつこくケイレブラブくんの動画置いといていいですか。
ケイレブラブくんのカレッジ最後の試合となった、今年のトーナメントのArizona vs. Dukeのフルゲーム動画です。

エリートキャンプの垂直跳びで一番低かったのは、ネイト・ビットルくん* (Nate Bittle) の22インチ(約56cm)。3番目に低かったのは、ジャクセン・モニくん (Jacksen Moni) の22.5インチ (約57cm)、次いでブランドン・ストラウドくん (Brandon Stround)、ジャブリ・アブドゥル=ラヒームくん (Jabri Abdur-Rahim)、ラクラン・オルブリッチくん (Lachlan Olbrich) の23.5インチ (約59.5インチ) でした。

ジャブリ・アブドゥル=ラヒームくんは、元NBA選手で現在はGリーグのプレジデントのシャリーフ・アブドゥル=ラヒームさんのご子息です。 花のClass of 2020なので、高校時代から気にかけていた選手の1人です。
カレッジでは3チームで5シーズンプレーしたのですが、昨季(2024-25)が終わったあと追加資格を得るためにmedical hardship waiverを申請して、transfer portal入りしていました(参考)。 申請がどうなったのかはわからなかったんですが、サマーリーグに出場してたということはおそらく却下されたということですね。
Providence時代のハイライト動画があったので、置いておきますね。

エリートキャンプの垂直跳びの平均は、約27インチ (約68.5cm) でした。 ドラフトコンバインよりも2インチくらい低いんですね。

PITの垂直跳び

PITでは「助走あり」ジャンプは無くて、助走なしの垂直跳びだけ測定されてます。

PITの垂直跳びで一番高かったのは、デイボン・スミスくん (Deivon Smith) の34.5インチ (約87.5cm) 。 期待どおり!!

身体測定 前編体力測定 後編でも書きましたが、ジョージア州の高校バスケを熱心にチェックしてた頃のコなので、今年のドラフト対象選手の中でとても思い入れの深い選手の1人です。 大学時代のハイライトは過去記事に置いといたんで、高校時代の特に印象深かった2019-20シーズンのハイライト動画を置いておきますね。この年のGraysonはド派手で面白かった! 白いジャージーの背番号5がデイボンスミスくんです。

PITの垂直跳びで2番目に高かったのは、ウーガ・ポプラーくん(Wooga Poplar)の34インチ (約86.5cm)、3番目はRJ・フェルトンくん (RJ Felton) とダリアス・ジョンソンくん (Darius Johnson) の32.5インチ (約82.5cm) でした。

PITの垂直跳びで一番低かったのは、デビッド・ジョプリンくん (David Joplin) の24インチ (約61cm) 。2番目に低かったのはセバスチャン・トーマスくん (Sebastian Thomas) の24.5インチ (約62cm) でした。

PITの垂直跳びの平均は、約29インチ(約73.5cm)でドラフトコンバインと同じくらいでした。

Max Vertical Leap (助走ありジャンプ)

毎年書く度に疑問に思ってるんですが、「助走あり」でも垂直跳びって言うんですかね。
以下の記事によると、助走の距離は15フィート (約4.5m) だそうで、歩数は3歩。3歩目で両足で踏み切ってジャンプします。
Running Vertical Leap

今年の測定動画がいくつかあるので置いておきますね。

ちなみにどこの測定でも同じ条件(助走距離や歩数)で測定されているとは限らないので、別のところで測定したものは参考程度にしか比較できないかなと思います。 たとえば、とある米国高校バスケチームでの測定動画を見ると、助走距離はわかんないけど歩数はだいぶ多く見えます。

余談ですけど、上の方に貼ったRunning Vertical Leapの記事では「Vertec®」という測定機器に言及されていて、NBAのドラフトコンバインでもかつてはVertecが使われてたらしいですが、2024年から機器が変更になったらしいです。
Why Did the NBA Combine Switch Vertical Jump Measuring Equipment?
現在はこれだとか。
TH500 Floor Stand System – The Top Hopper

ドラフトコンバインのMax Vert

ドラフトコンバインの助走ありジャンプで一番高く跳んだのは、垂直跳びでも1位だったドレイク・パウエルくんで43インチ (約109cm)。 2番目に高かったのは、タハド・ペティフォードくん* (Tahaad Pettiford) の42インチ (約106.5cm)。 3番目に高かったのはジェイボン・スモールくんの40.5インチ (約103cm)で、この3人がMax40インチ超え。

タハドペティフォードくん、今年のドラフトエントリーは撤回してカレッジに戻ったので、来季を楽しみにしてください。 Max Vertの測定動画があるので置いておきますね。

次いでカーター・ブライアントくん (Carter Bryant) 、カーター・ノックスくん* (Karter Knox)、シーオン・ジェイムスくん (Sion James)が39.5インチ、ジェイロン・ムーアくんとチャズ・ラニアーくんが39インチでした。

カーターブライアントくんを初めて見たのはこの動画で、体型にひとめ惚れでした。
2022年4月にClass of 2024のお気に入りTOP5をポストした時に、「最近知ったばっかりの1人」って言ってるのはカーターブライアントくんのことです。 リクルートランキングでTOP10だった時期もあったけど、カレッジ1年でアーリーエントリーして上位指名されるとか、高校時代は想像してなかったなぁ。
NCAAトーナメントのハイライト動画が公式から出てるので、置いておきますね。

ドラフトコンバインのMax Vertで一番低かったのは、ボゴリュブ・マルコビッチくんの27.5インチ (約70cm)。 2番目に低かったのは、デリク・クイーンくんとジョナイ・ブルームくんの28インチ (約71cm)。 次いでカマン・マルアチくん、ダニー・ウルフくん、ダリオン・ウィリアムスくん*、ハンセン・ヤンくん (Hansen Yang) 、ウラジスラフ・ゴールディンくん (Vladislav Goldin)、 グラント・ネルソンくん (Grant Nelson)の6名が30インチ (約76cm) でした。

ドラフトコンバインのMax Vert (助走ありジャンプ) の平均は、約34.7インチ (約88cm) でした。

エリートキャンプのMax Vert

エリートキャンプの助走ありジャンプで40インチ超えはいなくって、一番高く跳んだのは、ケイレブ・グリルくん (Caleb Grill) の38インチ (約96.5cm)。グリルくん、垂直跳びは29インチとそこそこでしたが、助走ありでは1位でした。

2番目に高かったのは、ラモント・バトラーくんの37.5インチ (約95cm) 、3番目に高かったのはカーティス・ジョーンズくん (Curtis Jones) と チェイス・ハンターくんの37インチ (約94cm) でした。

ラモント・バトラーくんは、カレッジ4シーズンはSan Diego Stateで、最後の1シーズンだけKentuckyでプレーしました。スタッツはkentucky時代が一番よいんですが、やっぱり2023年のNCAAトーナメントでのブザービーターは強く心に残っているので、その年のトーナメントでのハイライト動画を置いておきますね。

エリートキャンプの助走ありジャンプで一番低かったのは、ネイト・ビットルくん* の25インチ。2番目に低かったのはジャクセン・モニくんの26.5インチ、次いでアンドリュー・カーくんと (Andrew Carr) ジャブリ・アブドゥル=ラヒームくんの27.5インチ。

エリートキャンプのMax Vert (助走ありジャンプ) の平均は約33インチ (約83cm)でした。こっちもドラフトコンバインと比べると2インチ近く低いんだね。

前述のとおりPITはMax Vertの測定はありません。

最高到達点 TOP 5

最高到達点は、Standing Reach + Max Verticalで出しています。
なので、Max Vertの測定のないPIT参加者は含まれません。

名前
最高到達点 / 靴なし身長

1. ヤニック・コナン・ニーダーハウザー (Yanic Konan Niederhauser)
12′4″ (約376cm) / 6′11.25″ (約211.5cm)
エリートキャンプ → ドラフトコンバイン

2. ロコ・ジカースキー (Rocco Zikarsky)
12′2″ (約371cm) / 7′3″ (約221cm)
ドラフトコンバイン

2. ドレイク・パウエル (Drake Powell)
12′2″ (約371cm) / 6′5.25″ (約196cm)
ドラフトコンバイン

4. カーター・ブライアント (Carter Bryant)
12′1.5″ (約369.5cm) / 6′6.5″ (約199.5cm)
ドラフトコンバイン

4. ルーベン・チニエル* (Rueben Chinyelu)
12′1.5″ (約369.5cm) / 6′9″ (約205.5cm)
エリートキャンプ

注目ポイントは、身長差が25cmくらいあるジカースキーくんとドレイクパウエルくんの最高到達点が同じってとこですね。 あと、カーターブライアントくんがTOP5なのはちょっと驚きでした。

ちなみにこの5名をStanding Reachの高さ順に並べると、ジカースキー、チニエル、ニーダーハウザー、カーターブライアント、ドレイクパウェルの準です。

TOP5以外にも最高到達点12インチ超えがあと5名いるので、ずらっとならべておきますね。
ライアン・カルクブレンナー (12′1″)、アマリ・ウィリアムス (12′1″)、セドリック・カワード (12′0.5″)、カマン・マルアチ(12′0″)、エイサ・ニューウェル (12′0″)。

ちなみに最高到達点の平均は、ドラフトコンバインが11′6.5″(約352cm)くらい、エリートキャンプが11′.5″(約344cm)くらいで、エリートキャンプの方が3インチくらい低いです。

毎年書いてるけど、Standing Reachの数値が怪しい=垂直跳びの数値も怪しい(昨年の記事参照)、同じくらいの身長のコと最高到達点を比べてみるのがいいですね。
ちなみに今年のStanding Reach低すぎ疑惑はニアム・マクニーリーくんです。アタシが怪しいと思ってるだけなのでご参考までに。

身体能力が全体的に高そうな選手・低そうな選手

当時も話題になってましたが、ドラフトコンバインで身体能力が一番高そうなのは、ドレイク・パウエルくん。 ジャンプ2種は1位、スプリントはTOP5、Shuttle RunはTOP5と0.01秒差で、Lane agilityはTOP10。

あとチャズ・ラニアーくんとかウォルター・クレイトンくんあたりが、ドレイクパウエルくんほど顕著じゃないけど全体的に良い感じでした。

チャズくんは、Shuttle Runだけ平均のちょい上くらいだけど、Lane Agilityとジャンプ2種ではTOP5。ウォルタークレイトンくんは、Standing Vertだけ平均のちょい上くらいだけど、Lane AgilityはTOP5、スプリントとジャンプ2種でもTOP10に入るくらい。
2人とも身体能力にモノを言わせるタイプの選手ではないので、ちょっと意外でした。2人をまとめてチェックできちゃうTennessee vs. Floridaのハイライト動画を置いておきますね。

毎年そうなんだけど、スピードとジャンプとアジリティ系のすべてが高いコってなかなかいなくって、スピード+ジャンプ系かアジリティ系かのどっちらかに偏っている場合が多いです。
ドレイクパウエルくんもどちらかといえばスピード+ジャンプ系で、他にはジェイボン・スモールくん、シーオン・ジェイムスくん、ジェイロン・ムーアくんあたりがスプリントとジャンプ2種でTOP5でした。

エリートキャンプでは成績がバラけてるので一概になんともなんだけど、チェイス・ハンターくんがLane Agilityだけ平均よりちょい上くらいだけd、それ以外はTOP5。 ジャマイ・メイシャックくんとケイレブ・ラブくんが、Shuttle Run以外でTOP5。ラモント・バトラーくんがスプリント+ジャンプ2種でTOP5でアジリティ系はTOP10。ここら辺が身体能力高めといえそう。

逆に身体能力の低そうなのは、ドラフトコンバインのすべての種目でワースト5だった、デリク・クイーンくんとカマン・マルアチくんと、エリートキャンプのすべての種目でワースト5だった、ジャブリ・アブドゥル=ラヒームくんでしょう。

こんなとこかな。
また何か気づいたら書くかも書かないかも。

来年はドラフト前に書くことを目標にしたいです!

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