NBAドラフト2025: 体力測定 前編

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2025年のNBAドラフトから1ヶ月くらい経ち、サマーリーグも終わろうという時期ですが、引き続きNBAドラフトコンバインやGリーグエリートキャンプでの、測定結果を見ていきます。

今回は体力測定のスピード・アジリティ系の種目、3/4 Court Sprint、Lane Agility、Shuttle Runの3つ。

身体測定については、過去記事で。
身体測定 前編(身長・体重)
身体測定 後編(Wingspan・Standing Reach)
垂直跳びや最高到達点は、後編で。
体力測定 後編(垂直跳び・助走ありジャンプ・最高到達点)

今年のドラフトコンバイン招待選手75名のうち、開催前に撤退した選手が1名いたので参加すべき選手は74名。 Gリーグエリートキャンプからドラフトコンバインに追加で招待された選手が5名を含めると79名。
当日参加できなかった海外選手の後日測定分も含め、79名分全員の測定結果がNBA公式サイトに掲載されています。

ただし、以下の選手については体力測定結果がありません。
Boogie Fland (体力測定の前にドラフトから撤退)
Thomas Sorber / Adou Thiero (おそらく怪我のため免除)

また、以下の選手については、3/4 Court SprintとLane Agilityのみ測定結果があります(身体測定はぜんぶある)。
Noa Essengue / Hugo González / Ben Saraf
この3名は、ドラフトコンバインにも、adidas Eurocampのタイミングで実施された時にも参加できなかったので、もしかしたら個別に測定だったのかもしれません。

すべての測定結果はそれぞれの公式サイトで見ることができます。
エリートキャンプからドラフトコンバインに追加招待された選手の数値は、エリートキャンプで測定されたものなのでエリートキャンプ扱いにしています。

▽NBA ドラフトコンバイン
Draft Combine Strength & Agility | Stats | NBA.com
▽Gリーグ エリートキャンプ
2025 G League Elite Camp Official Testing Results – The NBA G League
▽P.I.T
2025-PIT-Final-Tournament-Stats.pdf(PDF)
※なぜか同じページが何回も繰り返し出てくるので、12ページ以降を見るのがよさそう

3/4 Court Sprint

NBA公式測定結果のページには「Three Quarter Sprint」と書かれています。
バスケットコートの3/4の距離を走って測定するので、3/4というわけです。
Basketball 3/4 Basketball Court Sprint Test

今年の3/4 court sprintの測定動画がいくつかあるので置いておきますね。

ドラフトコンバインのスプリント

ドラフトコンバインの3/4 Court Sprintで一番速かったのは、シーオン・ジェイムスくん (Sion James)の2.93秒。

今年は3秒未満は1人だけですが、昨年複数人いたのが異例なだけで、2000年以降のドラフトコンバイン(プレドラフトキャンプ時代を含む)全体でも10名くらいしかいません。

シーオンジェイムスくんは、Tulaneで4シーズンプレーした後、最後の1シーズンはDukeでプレーしました。シーズンのハイライト動画置いておきますね。

2番目に速かったのは、ジェイロン・ムーアくん (Jalon Moore)の3秒ちょうど、3番目に速かったのは、ジェレマイア・フィアーズくん (Jeremiah Fears) の3.05秒。

奇しくも! 2人ともOklahomaでチームメイトなので、今年のNCAAトーナメントのフルゲーム動画を置いておきますね。

ジェレマイア・フィアーズくんは推しの弟として知ったので、またちょっと違った感じで感慨深いです。

次いでセドリック・カワードくん (Cedric Coward)が3.06秒、次いで3.07秒が5名いて、ドレイク・パウエルくん (Drake Powell)、ジェイボン・スモールくん (Javon Small)、カーター・ブライアントくん (Carter Bryant)、ベン・ヘンシェルくん (Ben Henshall)、ニーク・クリフォードくん (Nique Clifford) の5名。ここまでがTOP5のタイムです。

「Nique」の発音はColorado時代の公式Pronunciation Guide(PDF)によると「NEEK」ということなので、カタカナでは「ニーク」にしました。ちなみにNiqueはDominique(ドミニク)の略です。今年のNCAAトーナメントでのハイライト動画を置いておきますね。

どうでもいい話ですけど、ニーククリフォードくんめっっっちゃデコ狭いですよね。

ドラフトコンバインの3/4 Court Sprintで、一番遅かったのはウラジスラフ・ゴールディンくん (Vladislav Goldin)の3.53秒、2番目に遅かったのはデリク・クイーンくん (Derik Queen) の3.52秒、3番目に遅かったのは、ダニー・ウルフくん (Danny Wolf) の3.51秒。あとはカマン・マルアチくん (Khaman Maluach)が3.5秒で、この4名が3.5秒超えです。

デリククイーンくん、高校時代にはジャージーがパツパツだった頃もありましたが、カレッジに入ってから20ポンド以上減量したそうです。 
Inside Maryland freshman Derik Queen’s weight loss journey – Yahoo Sports

Big Ten公式から30分くらいあるハイライト動画が出てるので、置いておきますね。

今年のドラフトコンバインでの3/4 Court Sprintの平均は約3.28秒でした。昨年は平均3.19秒だったので、0.1秒くらい遅いですね。

エリートキャンプのスプリント

エリートキャンプの3/4 Court Sprintで一番速かったのは、ラモント・バトラーくん (Lamont Butler)の3.01秒。2番目に速かったのは、チェイス・ハンターくん (Chase Hunter)の3.04秒、3番目に速かったのはジャマイ・メイシャックくん (Jahmai Mashack)の3.09秒。

このTOP3のうち、バトラーくんとメイシャックくんがまとめて見れちゃう今年のNCAAトーナメントのKentucky vs. Tennesseeのフルゲーム動画を置いておきますね。

一番遅かったのは、ネイト・ビットルくん* (Nate Bittle)の3.62秒、2番目に遅かったのは、ジャブリ・アブドゥル=ラヒームくん (Jabri Abdur-Rahim)の3.5秒、次いで3.45秒が3名いるのでそこは割愛。

エリートキャンプのスプリントの平均は、約3.27秒。ドラフトコンバインとだいたい同じくらいですね。

PITのスプリント

PITのスプリントで一番速かったのは、デイボン・スミスくん (Daivon Smith)の3.099秒。
エリートキャンプでTOP3だった、チェイスハンターくんとジャマイメイシャックくんは、PITのスプリントではハンターくんが3.15秒で3位、メイシャックくんが3.167秒で5位でした。

デイボンスミスくん、身体測定編でも書きましたが、高校時代から気にかけていたコなので今年のドラフト候補生の中でとても思い入れの深い選手の1人です。 Miss State→Georgia Tech(2シーズン)→ Utah → St. John’sと、カレッジ5シーズン4校でプレーしました。
Utah時代のハイライト動画があったので、置いておきますね。

PITのスプリントで一番遅かったのは、ジョナス・エイドゥーくん (Jonas Aidoo)の3.72秒。
3.7秒台はちょっと久々に見た気がします…

PITのスプリントの平均は約3.34秒。ドラフトコンバインやエリートキャンプと比べるとちょっと遅いですね。

Lane Agility

レーン・アジリティは機敏性を測定するドリルで、前向きスプリント・サイドシャッフル・バックペダルを組み合わせたコースを、常にベースライン方向を向き、足を交差させないようにして2周走ります。
Lane Agility Drill Test

…って、文章で書いてもよくわかんないので、今年の測定動画をいくつか置いておきますね。

ドラフトコンバインのレーン・アジリティ

ドラフトコンバインのレーンアジリティで一番速かったのは、ベン・ヘンシャルくん (Ben Henshall)とトレ・ジョンソンくん (Tre Johnson)の10.49秒。

トレジョンソンくん、毎度のことながらカタカナではトレって書いてますけど、実際の発音はトレイっぽいです。今年のNCAAトーナメントでのハイライト動画があるので、置いておきますね。

ドラフトファッションの短パン姿はあちらこちらで評判よかったですね。

3番目に速かったのは、グラント・ネルソンくん (Grant Nelson)の10.51秒。前回参加した2023年のドラフトコンバインでは驚異の9秒台でしたが、今回はそこまで速いタイムではありませんでした。
次いで、ウォルター・クレイトン・Jrくん (Walter Clayton Jr.)の10.52秒、チャズ・ラニアーくん (Chaz Lanier)の10.53秒で、ここまでがTOP5。

2025年のNCAAトーナメントのチャンピオンでFinal FourのMOP、ウォルタークレイトンくんのトーナメントでのハイライト動画を置いておきますね。

ドラフトコンバインのレーンアジリティで一番遅かったのは、デリク・クイーンくんの12.45秒。今年のコンバインではダントツの遅さ。歴代のタイムでもだいぶ遅い方だけど、体型とかかから考えるとまぁ想定範囲じゃないのかな。

2番目に遅かったのは、ライアン・カルクブレンナーくん (Ryan Kalkbrenner)とロコ・ジカースキーくん (Rocco Zikarskyの12.05秒。この3名が12秒台でした。
ジカースキーくんのレーンアジリティ測定動画があるので、置いておきますね。

ドラフトコンバインのレーンアジリティの平均は約11.18秒。

エリートキャンプのレーンアジリティ

エリートキャンプのレーンアジリティで一番速かったのは、ケイレブ・ラブくん (Caleb Love)の10.6秒。

身体測定編でも書きましたが、ケイレブラブくん今年のドラフト候補生で一番好きな選手です。5年間のカレッジキャリアは良い時も悪い時もあったけど、それでもきっと「Duke Killer」として語り継がれることでしょう。2022年のNCAAトーナメントでのUNC vs. Dukeのフルゲーム動画を置いておきますね。

2番目に速かったのは、ノーチャド・オミールくん (Norchad Omier)の10.81秒、3番目がジャマイ・メイシャックくんの10.83秒。

オミールくん(カタカナ表記はかなり暫定)はニカラグアの出身で、カレッジではArkansas Stateで2シーズン、Miami (FL)で2シーズン、最後のシーズンはBaylorでプレーしました。Baylorでのハイライト動画を置いておきますね。

一番遅かったのは、ネイト・ビットルくん* と、エリートキャンプからコンバインに招待されたタマー・ベイツくん (Tamar Bates)の12.63秒でした。
デリククイーンくんの12.45秒が速く感じるな…

エリートキャンプのレーンアジリティの平均は、約11.55秒。ドラフトコンバインよりも0.4秒くらい遅いです。

PITのレーン・アジリティ

公式に発表されてる測定結果で、Lane gilityとShuttle Run(Reaction Shuttle)の数値が入れ替わっていると思われるんですが、確証はないので割愛で。

Shuttle Run

Reaction ShuttleとかReavtive Shuttleとか言ったりもしますが、NBA公式ではShuttle Runという名称になっています。これも機敏性やスピードを測定するためのドリルで、中央からシステムの指示で左右どちらかのキーラインへ走り、反転して16フィート先の反対側キーラインへ。そこから再び反転して、中央ラインを通過して終了です。
Reactive Shuttle Agility Run

…と文章で書いてもわからないので、また測定動画を置いておきますね。

ドラフトコンバインのシャトルラン

ドラフトコンバインのシャトルランで一番速かったのは、グラント・ネルソンくんの2.58秒。今年のドラフトコンバインではダントツの速さで、ドラフトコンバイン史上最速※です。今年はこっちだった!
グラントネルソンくんのシャトルラン測定動画があるので、置いておきますね。

※NBA公式の2020年の測定結果にこれより速いタイムのコがたくさんいるんですが、この年はコロナ禍でドラフトコンバインが開催されず各自個別に測定したものです。 なんでそんな結果になっているかという話は当時の記事を置いておきますね。
Here is why shuttle times will be much faster at 2020 NBA draft combine
ここの過去記事でも書いてるので併せてどうぞ。
NBAドラフト2020 予習: 体力測定 | 24seconds

2番目に速かったのは、ラシーア・フレミングくん (Rasheer Fleming) の2.72秒、3番目に速かったのはリアム・マクニーリーくんの2.75秒。最初に貼った2つの測定動画は、この2人のものです。

次いでアレックス・コンドンくん* (Alex Condon) が2.76秒、エース・ベイリーくん (Ace Bailey) とエイサ・ニューウェルくん (Asa Newell) が2.78秒で、ここまでがTOP5のタイムです。

リアムマクニーリーくんとエイサニューウェルくんは高校時代のチームメイト。その年のMontverde Academyのフルゲーム動画を置いておきますね。言わずもがな、クーパー・フラッグくんとデリク・クイーンくんもチームメイトです。

ちなみにこの試合の対戦相手Columbusには、双子のブーザーくんたちやジェイスくん・ジャクソンくんのリチャードソン兄弟がいるので見どころ満載です。

あと、エースベイリーくんの高校時代・カレッジ時代のフルゲーム動画プレイリストつくったのでよかったらぜひ。

ドラフトコンバインのシャトルランで一番遅かったのは、カマン・マルアチくんの3.44秒でダントツの遅さです。2番目に遅かったのは、デリク・クイーンくんの3.27秒、次いでマーク・シアーズくんの3.25秒でここまでがワースト3です。

ドラフトコンバインのシャトルランの平均は約2.99秒でした。3秒切ってるんだね。

エリートキャンプのシャトルラン

エリートキャンプのシャトルランは、左右それぞれのタイムが記録されているので、左右両方とも速いコたちを順不同であげておきます。
シャトルランの測定方法の違いについては昨年の記事をご参照ください。
NBAドラフト2024 予習 : 体力測定 前編 | 24seconds

エリートキャンプのシャトルランで左右両方とも速かったのは、ケイレブ・グリルくん (Caleb Grill)くんの左2.809秒、右2.707秒、ウェイド・テイラーくん (Wade Taylor IV) の左2.821秒、右2.859秒、チェイス・ハンターくん (Chase Hunter) の左2.761秒、右2.874秒あたりかな。

一番遅かったのは、ダントツでジャブリ・アブドゥル=ラヒームくん (Jabri Abdur-Rahim) の左3.535秒、右3.615秒でした。

ちなみに、エリートキャンプから追加でドラフトコンバインに招待された選手たちのタイムは、エリートコンバインの左右測定値の速い方がNBA公式に登録されているようでした。

エリートキャンプのシャトルランの兵器んは、左が約3.02秒、右が約3.05秒でした。

PITのシャトルラン

PITのシャトルランは測定値が1つだけあるのですが、どういう測定方法かは不明です。
一番早くても2.8秒台なので割愛でいいかなー。一番遅かったは3.4秒台。
平均は、約3.12秒でした。

今回はここまで。これドラフト前から書いてたんだよね…
次回は体力測定ジャンプ系。

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