引き続き、今年のドラフト候補生たちの身体測定結果を見ていきましょう。
今回は、Wingspan・Standing Reach。
身体測定 前編 : 身長・体重・体脂肪率
体力測定 前編 : スピード・アジリティ系
体力測定 後編 : ジャンプ系
前編と同様に、NBAドラフトコンバインの他に、Gリーグ エリートキャンプとPITでの測定数値も含めています。
▼NBAドラフトコンバイン
Draft Combine Anthrometric | Stats | NBA.com
▼Gリーグ エリートキャンプ
2022 NBA G League Elite Camp Player Measurement Results & Box Scores – NBA G League
▼Portsmouth Invitational Tourenament
Tournament Stats, Measurements & testing Results(PDF)
名前に* 印をつけてるコはエントリー撤回した選手です。
あと今年は手の大きさは割愛します。悪しからず。
Wingspan
今年はドラフトコンバインにWingspanの長いコが多くて、上位6人のうち5人がドラフトコンバイン参加者。(去年は上位6人のうち5人がGリーグ エリートキャンプ組だった)
Wingspanが一番長かったのは、マーク・ウィリアムスくん(Mark Williams)の7’6.5″(約230cm)。
初めて見た時から思ってたんですが、マーク・ウィリアムスくんってマリク・モンクくんとデアンドレ・エイトンくん足したみたいな顔ですよね。レギュラーシーズンのハイライト動画を置いておきますね。
2番目に長かったのは、クリスチャン・コロコくん(Christian Koloko)の7’5.25″(約226.5cm)、3番目に長かったのは、コフィ・コーバーンくん(Kofi Cockburn)とウォーカー・ケスラーくん(Walker Kessler)の7’4.25″(約224cm)。次いで、オーランド・ロビンソンくん(Orlando Robinson)とPITのダラス・ウォルトンくん(Dallas Walton)が7’4″(約223.5cm)で、この7人が7’4″超え。
去年はドラフトコンバインとGリーグ エリートキャンプをあわせても、7’4″超えのコって3人しかいなかったので、今年は腕の長いコが多い!と思ったけど、そもそも身長高いコが多いのかな。(そこら辺の過去との比較がちゃんとできてないんだけど)
身体測定をしていない上位指名候補のうち、チェット・ホルムグレンくん(Chet Holmgren)とジェイレン・ドゥーレンくん(Jalen Duren)は、過去の測定数値から、Wingspanは7’3″〜7’5″級だとわかっています。
チェットくんとドゥーレンくんがNCAAトーナメントで対戦した試合のフルゲーム動画を置いておきますね。
Wingspanの短いコたちは、圧倒的にPITとPITとGリーグ エリートキャンプの小柄なコたちなので、ドラフトコンバインだけ書いておくことにします。
ドラフトコンバインで一番Wingspanが短かったのは、コリン・ガレスピーくん(Collin Gillespie)の6’4″(約193cm)。2番目に短かったのは、ケネディ・チャンドラーくん(Kennedy Chandler)とジャン・モンテロくん(Jean Montero)の6’5.25″(約196cm)、3番目に短かったのは、ヒューゴ・ベッソンくん(Hugo Besson)の6’5.5″(約197cm)でした。
ドミニカ共和国のジャン・モンテロくん、昨季は米国のOvertime Elite(高校生向けのプロリーグ)でプレーしてました。Liga ACBのGran Canariaからのレンタル移籍だったそうです。ハイライト動画を置いておきますね。
あとは、スコッティ・ピッペン・Jrくん(Scotty Pippen Jr.)とアンドリュー・ネムハードくん(Andrew Nembhard)が6’5.75″(約197.5cm)で、この6人が6’6″未満。
ついに長いものに巻かれてここではカタカナ表記を「ネムハード」にしましたが、ツイッターとかではきっと今後もネンバードって書くでしょう(その方がアタシ的に馴染んでるので)。ニックネームで呼んでると思っていただければ…
出会いは2016年のこの動画で、サムネの横顔にひとめ惚れでした♡
Gリーグ エリートキャンプとPITを含めても、身長よりWingspanの短いコは今年はいませんでした🙌
ドラフトコンバインで身長比のWingspanが一番短かったのは、クリスチャン・ブラウンくん(Christian Braun)でした。靴なし身長6’5.5″(約197cm)でWingspanが6’6.5″(約199cm)。
なんかちょっと不名誉な感じですけど、そこは身体能力とか他のなんかでカバーできるはず!ハイライト動画を置いておきますね。
身長比でWingspanの長いTOP5
今年のTOP5は全員ドラフトコンバイン参加者でした。
靴なし身長 / Wingspan / 身長に対するWingspanの比率(Wingspan÷身長)
1. ジェイレン・ウィリアムス(Jalen Williams)
6’4.5″(約194cm) / 7’2.25″(約219cm) / 1.127
2. ロン・ハーパー・Jr(Ron Harper Jr.)
6’4″(約193cm) / 7’1.25″(約216.5cm) / 1.121
3. ウェンデル・ムーア(Wendell Moore)
6’4.25″(約194cm) / 7’0.5″(約214.5cm) / 1.108
4. ジャスティン・ルイス(Justin Lewis)
6’6.25″(約199cm) / 7’2.5″(約220cm) / 1.105
5. ライアン・ロリンズ(Ryan Rollins)
6’2″(約188cm) / 6’9.75″(約207.5cm) / 1.104
上位2人がダントツ!ウェンデル・ムーアくん以外は、全くもってノーチェックでした…(ムーアくんは、過去にUSA代表時の測定数値がたくさんあるからWingspan長いのは知ってた)
靴なし身長6’9″以上で身長比Wingspanが一番長かったのは、クリスチャン・コロコくんで1.078倍。
靴なし身長6’1″未満で身長比Wingspanが長かったのは、Gリーグ エリートキャンプのジャマリー・ブーイエくん(Jamaree Bouyea)の1.097倍、PITのデバンテ・ジョーンズくん(Devante Jones)の1.093倍あたりです。
今年の測定値全体での平均は 1.058 くらいなんですが、各イベントで明確に平均が違いました。Wingspanの差に換算すると、0.02の差って身長2mのコで4cmくらいですが。
ドラフトコンバイン : 1.067
Gリーグ エリートキャンプ : 1.054
PIT : 1.047
なんとなくドラフトコンバイン参加者の平均値が高いんじゃないかとは毎年うっすら思ってたのは気の所為じゃなかった!イベント別の平均とか今年始めて出したので、過去のもさかのぼって比較したいですね…
Standing Reach
Wingspanと同様に、Standing Reachの高いコもドラフトコンバインに多いです。
Standing Reachが一番高かったのは、Wingspanも一番長かったマーク・ウィリアムスくんで、9’9″(約297cm)。アタシの手元にあるデータでは、2019年のタコくん(10’2.5″)とクリスト・クマジくん(PIT / 9’9.5″)に次ぐ高さです。
マーク・ウィリアムスくんの今季のダンク数は97本で、1シーズンのダンク数としてはDuke史上2番目に多いそうです(参考)。ここにはDukeのフルゲーム動画置いておきますね。1/16のNCST戦。
Standing Reachが2番目に高かったのは、ウォーカー・ケスラーくんとクリスチャン・コロコくんの9’5″(約287cm)、3番目に高かったのは、ジョン・バトラーくん(John Butler Jr.)とPITのニック・ミュジンスキー(Nick Muszynski)くんの9’4″(約284.5cm)。ここまでの5人が、9’4″超え。ミュジンスキーくん以外はドラフトコンバインでの測定です。
Standing Reachの低いコもWingspanと同様に、PITとGリーグ エリートキャンプの小柄なコたちばかりなので、こちらもドラフトコンバインだけ書いておきます。
ドラフトコンバインのでStanding Reachが8フィート未満だったのは、スコッティ・ピッペン・Jrくんの7’11.5″(約242.5cm)だけ。2番目にStanding Reachが低かったのは、ケネディ・チャンドラーくんの8’1″(約246.5cm)、3番目に低かったのはマーカス・サッサーくん*(Marcus Sasser)の8’1.5″(約247.5cm)。
ピッペンJrくんのドラフトコンバインのスクリメージでのハイライト動画があったので、置いておきますね。
身長比でStanding Reachの高いTOP5
Wingspanの比率は靴なし身長に対するものですが、Standing Reachは靴あり身長に対する比率を出しています。Standing Reach測定時にはおそらく靴を履いているので。
というとは、靴が違えば比率は変わるので、順位は出してるけどまぁ参考程度にということで。
靴あり身長 / Standing Reach / 身長に対するStanding Reachの比率(Standing Reach÷靴あり身長)
1. ロン・ハーパー・Jr(Ron Harper Jr.) / ドラフトコンバイン
6’5.5″(約197cm) / 8’9.5″(約268cm) / 1.361
2. マーク・ウィリアムス(Mark Williams) / ドラフトコンバイン
7’2″(約218.5cm) / 9’9″(約297cm) / 1.36
3. ジェイレン・ウィリアムス(Jalen Williams) / ドラフトコンバイン
6’5.75″(約197.5cm) / 8’9.5″(約268cm) / 1.356
4. ダリアス・デイズ(Darius Days) / Gリーグ エリートキャンプ
6’7″(約200.5cm) / 8’11″(約272cm)/ 1.354
5. ニック・ミュジンスキー(Nick Muszynski) / PIT
6’10.75″(約210cm) / 9’4″(約284.5cm)/ 1.353
TOP5には入らなかったけど、ドラフトコンバイのブレイク・ウェズリーくん(Blake Wesley)、アミヌ・モハメドくん(Aminu Mohamed)、マージョン・ボーチャンプくん(MarJon Beauchamp)が1.350台でした。
ブレイク・ウェズリーくん、今年のNCAAトーナメントで知っていいなって思ったらアーリーエントリーしてしまったので、ちょっと残念。ハイライト動画置いておきますね。
今年の測定値全体での平均は1.312くらい。イベントごとの平均を見ると、ドラフトコンバインだけが高いという結果になりました。こちらもStanding Reachに換算すると数センチの差です。
ドラフトコンバイン:1.323
Gリーグ エリートキャンプ:1.304
PIT:1.305
真の腕長
身長比のWingspanが長く、身長比のStanding Reachも高いコを「真の腕長」と勝手に呼んでいます。
厳密にいえばWingspan≠腕の長さだし、Standing Reachが高いからといって腕が長いとは限らないんですが、まぁなんというかあくまでもイメージということでご了承ください。
身長比Wingspanと身長比Standing ReachでどちらもTOP5に入った、ジェイレン・ウィリアムスくんとロン・ハーパー・Jrくんが今年の真の腕長ということでいいんじゃないでしょうかっ。
驚異的なStanding Reachを誇るマーク・ウィリアムスくんは、身長比Wingspanはドラフトコンバインの平均をちょっと上回るくらいでした。(1.077)
WingspanとStanding Reachの測定方法
以前は、ドラフトコンバインでの測定中の写真や動画がTwitterで流れてきてた時もあったんですが、2016年頃から出てこなくなりましたね…
どうやって測ってるのか気になる人もいると思うので、2015年の写真を置いておきますね。(今も同じ方法で測定してるかはわかりませんが…)
今年のWingspan系
Wingspanが長いわりにStanding Reachはそれほどでもないコのことを、勝手にWingspan系と呼んでいます。
アタシは、Wingspan系が好みです!これを探し出すために、毎年毎年身体測定結果とにらめっこしてると言っても過言ではありません!!!
今年一番のWingspan系はウェンデル・ムーアくん。
靴なし身長 6’4.25″(約194cm) / Wingspan 7’0.5″(約214.5cm)
靴あり身長 6’5.5″(約197cm) / Standing Reach 8’5″(約256.5)
身長に対してWingspanは1.1倍超えてるのに、Standing Reachは1.3倍程度とドラフトコンバインの平均を下回っています。
ちなみに…あ、これ読まなくてもいいところですが笑、身体測定の数値でWingspan系を導き出せないかと試行錯誤していて、今のところ有用そうなのは、これ。
(身長比Standing Reachの比率)÷(身長比Wingspanの比率)
数字が小さいほどWingspan系。まぁただこれある程度以上Wingspanが長くないと意味がないので、そこの絞り込みが必要なんですが。
今年のドラフトコンバイン、Gリーグ エリートキャンプ、PITのすべての測定を含めたこの数値の平均は1.24程度なのですが、ウェンデル・ムーアくんは1.176とかなり低いです。
とはいえ、Standing Reachの測定値が怪しいことも多いので、ここまで極端だと数値自体が間違っている可能性も否定できないんですが、ムーアくんの場合過去のUSA代表キャンプなどの数値がいくつかあって、どの測定値でも1.2未満なのでWingspan系と言っていいのではないかと。
ちなみにWingspan系代表のドノバン・ミッチェルくんのドラフトコンバインの測定数値では、この比率は1.174くらいです。これはかなり極端な数字で、Standing Reachの測定値をちょっと怪しんでいます。確認する術はないですが笑
今年のStanding Reach系
じゃあ逆にWingspanは平均程度なのにStanding Reachは高いコだっているんじゃないかと。Wingspan系に対して、こちらはStanding Reach系と呼んでいます。
アタシ的にはこっちはあまり興味がないんですが(好みの問題)、調べてみたところわかりやすいStanding Reach系がいました。
今年一番のStanding Reach系は、マイケル・フォスター・Jrくん(Michael Foster Jr.)。
靴なし身長 6’7.75″(約202.6cm) / Wingspan 7’0.25″(約214cm)
靴あり身長 6’9.25″(約206cm) / Standing Reach 9’1.5″(約278.5)
身長比Wingspanは1.056程度と全体の平均程度(ドラフトコンバインの平均より下)なのに、Standing Reachは1.347とTOP10の比率です。ほほぅ。こういうコいるんですね。
参考までに、Standing Reachが同じ9’1.5″のムーサ・ディアバテくん(Moussa Diabate)の身長は靴なし6’9.25″ / 靴あり6’10.25″でWingspanは7’2.5″です
マイケル・フォスターくんは昨季はGリーグ イグナイトでプレーしてました。ハイライト動画を置いておきますね。
最後の方はアタシの趣味に走ってますが、今回はこの辺で。
今年のドラフト候補生と現役選手のドラフト時の測定値を比較して、けっこう面白い結果があったんですが、それはまた別の機会に書くかも書かないかも。
次は体力測定!!
今日中に書くのはムリ〜
あ、今年もTwitterで雑なアンケートとらせていただき、去年よりもたくさんの方々に回答していただきました!
去年より160票くらい多いんですが、回答の比率はだいたい同じで、圧倒的にウィングスパン派が多かったです!
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