NBAドラフト2020 予習: 体力測定

日本時間ではドラフト前日、現地はもうドラフト当日になっていますが。
去年も同じようなタイミングで、体力測定書いてました…いや3時間くらい早かったかな…

なんか今年は上位指名候補たちに、Draft Gift Lockerっていうのが贈られたみたいです。例年でいうところのGreen Room招待に該当するコたちかな。

これ30チーム分のキャップが入ってるの、指名されたら自分でここから取り出してかぶるってこと?

さてそれでは、今回は体力測定編。身体測定の数値はあるけど、体力測定の数値はないコが9人いるので、データは36人分ですね…ちょっとさみしー。
NBA.com/Stats | Draft Combine Agility

身体測定編はこちらから。
身体測定 前編 / 身体測定 後編

ここまで何度か書いているように、今年のドラフトコンバインの体力測定は例年のように全員が同じ場所・同じ条件で測定しているわけではありません。体力測定の数値は、身体測定以上に注意する必要がありそうです。

アタシ、去年の予習記事で測定結果書く時に、ドラフトコンバインだけじゃなくて、Gリーグエリートキャンプとか、PITとか、Pro Bball Combineの数値とかもぜんぶ混ぜて書いてたんだけど、計測した会場によって、やけにShuttle Runが速いとか、やけにLane Agilityが遅いとかあって、「体力測定は別々のとこで計測したやつは比較するべきじゃなかったかなと思い始めました。来年はやめよう。」って書いてました

とはいえ、今年もそれぞれのコたちの数値を比較して順位とかつけてるけど、それはまぁ参考程度にって感じです。熱意はいつもどおりですけど。(笑)

3/4 Court Sprint

一番速かったのはデボン・ドットソンくん(Devon Dotson)の3.02秒。ドットソンくんは去年のドラフトコンバインでも一番速いうちの1人でした。

ドットソンくんプレーしてるとこ、ホント凛々しくてカッコいいので(去年も同じこと言ってた笑)、フルゲーム見て欲しい!ドットソンくんキャリアハイのDayton戦のリンク置いておきますね。対戦相手にはオビ・トッピンくんがいるし、チームメイトにはアズブキーくんもいるからぜひ。
2019.11.27 Dayton vs Kansas

二番目に速かったのはカリーム・マネくん(Karim Mane)の3.04秒。マネくん2019年のU19カナダ代表で気になったコの1人です。その時のフルゲーム動画見れるので置いておきますね。

あとは、グラント・リラーくん(Grant Riller)が3.07秒、カシアス・スタンリーくん(Cassius Stanley)が3.09秒で、この4人が3.1秒未満。

身長6’8″以上で一番速いのは、ママディ・ディアキテくん(Mamadi Diakite)の3.16秒。ディアキテくん去年のGリーグエリートキャンプでは、3.33秒とそんなに速くなかったんですよね…と言っても0.2秒とかの違いですけど…身長6’8″以上だとジーク・ナジくん(Zeke Nnaji)も3.2秒と速いです。ディアキテくんのハイライト動画置いておきますね。

2年前のドラフトコンバインでサイズのわりに驚異的な速さ(3.11秒)だったウドカ・アズブキーくんは、今年は3.23秒でした。ちなみに、今年のドラフトコンバインでの平均は約3.25秒だったので、十分速いですね。

一番遅かったのは、カシアス・ウィンストンくん(Cassius Winston)の3.61秒。ちょっと意外。特別速いイメージはなかったけど、遅いイメージはなかったなぁ。二番目に遅かったのはケイレブ・ウェッソンくん(Kaleb Wesson)の3.6秒。3.6秒越えたのはこの2人だけです。

カシアス・ウィンストンくんは、今年もっともオススメしたいSeniorの選手の1人なので、よろしくお願いします。ハイライト動画置いておきますね。

あとは、ゼイビア・ティルマンくん(Xavier Tilman)が3.49秒、ポール・リードくん(Paul Reed Jr.)が3.45秒、ジョーダン・ウォラくん(Jordan Nwora)が3.43秒、キリアン・ティリくん(Killian Tille)が3.4秒。アタシ的には3.4秒越えてると遅いなって印象なんですけど、どうですかね。

Lane Agility

Lane Agilityで一番速かったのは、ラマー・スティーブンスくん(Lamar Stevens)の10.35秒。二番目に速かったのは、デボン・ドットソンくんの10.44秒。ドットソンくん去年は10.63秒と遅めだったんですよね…三番目に速かったのはジャレン・ハリスくん(Jalen Harris)の10.59秒。ラマー・スティーブンスくんのハイライト動画を置いておきますね。

あとはメイソン・ジョーンズくん(Mason Jones)くんが10.6秒、ジョシュ・グリーンくん(Josh Green)が10.64秒。ここまでがTOP5。

一番遅かったのはポール・リードくんの12.29秒、二番目に遅かったのはジョシュ・ホールくん(Joshua “Josh” Hall)の12.16秒、三番目に遅かったのがママディ・ディアキテくんの11.95秒。あとは、ケニオン・マーティン Jr.くん(Kenyon Martin Jr.)が11.93秒、ウドカ・アズブキーくんが11.82秒、ゼイビア・ティルマンくんが11.8秒、ここまでが11.8秒越え。

ジョシュ・ホールくんは、大学でプレーせずにアーリーエントリーしたコの1人。昨季はプレップスクールで、NC Stateへの進学が決まっていたんだけど、カレッジでプレーする資格は保持したままアーリーエントリー。結局、進学はとりやめてそのままドラフトへ。レキューくんと同じケースです。ハイライト動画置いておきますね。

Shuttle Run

さて、今回の体力測定で一番悩ましいのがShuttle Run。全体的に例年とくらべてずいぶん速いタイムになっています。

Here’s why shuttle times will be much faster at 2020 NBA draft combine

例年のドラフトコンバインでは下の動画のように測定しています。左右どちらかのライトがランダムに点灯して、ライトの点灯した方向へスタート。

でも、今年はこの設備は使われず、始める前にどちらに左右どちらへ走るかは決められていたとか。それが原因で例年よりShuttle Runのタイムが速いんじゃないかと。

去年やたらとShuttle Runが速かったPro Ball Combineと同じくらいの水準なので、Pro Ball Combineもこの方法で計測してたのかも。

で、そんなShuttle Runですが、一番速かったのはデボン・ドットソンくんの2.22秒。去年のドラフトコンバインでは2.8秒で二番手でした。ちなみに、過去のドラフトコンバインでの測定値を見ると、2.8秒以下だとかなり速い感じで、過去一番速くても2.6秒台です。

二番目に速かったのは、ジョシュ・グリーンくん(Josh Green)の2.28秒、三番目に速かったのはスカイラー・メイズくん(Skylar Mays)の2.4秒。ジョシュ・グリーンくんのハイライト動画置いておきますね。

一番遅かったのはウドカ・アズブキーくん(Udok Azubuike)の3.61秒。ぶっちぎりの遅さ。アズブキーくんは2年前のドラフトコンバインでも3.65秒なので、これはわりと信頼できる数値かも笑。二番目に遅かったのはマーカス・ハワードくんの3.17秒、三番目に遅かったのは、ゼイビア・ティルマンくんの3.01秒。

Vertical Leap(垂直跳び・助走ありジャンプ)

確固たる証拠があるわけではないのですが、なんとなーく高めの数字が出てるんじゃないかなぁって気がしてます。たとえばStanding Reahの高さってジャンプの数値に影響するし、助走ありジャンプの場合は、助走距離の違いが影響するし。まぁ、各所同じ助走距離で測定されているはずですが。(そう思いたい)

とはいえ、近年Max40インチ級のコが増えている気がするので、あながちおかしい数値ではなのかもしれないけど。

はい。まずは助走なし(Standing)ジャンプから。

助走なしジャンプで一番跳んだのは、ジャレン・ハリスくん(Jalen Harris)の37.5インチ(約92cm)。助走なしで37インチ以上ってかなり高くって、近年のドラフトコンバインだと2016年まで遡らないといません。2018年にカレッジ(Nevada)のPro Dayの時の測定数値が出回っていて(参考)その時は36インチだったみたいなので、かなり高いのは確かみたい。ジャレン・ハリスくんのダンク動画置いておきますね。

二番目に高かったのは、タイラー・ベイくん(Tyler Bey)とウドカ・アズブキーくんの37インチ(約94cm)。アズブキーくんの大きさを考えると驚異的な高さなんですが、この数値にはちょっと思うところがあるのでそこはのちほど。

あとは、ラマー・スティーブンスくん(Lamar Stevens)が35インチ(約90cm)、カシアス・スタンリーくん(Cassius Stanley)が34.5インチ(約87.5cm)、ヨーリ・チャイルズくん(Yoeli Childs)が34インチ(約86cm)。ここまでが34インチ越え。

ちなみに昨年のドラフトコンバインでは、34インチだとTOP3くらい、一昨年は一番跳んだコで34.5インチでした。ご参考まで。

次は助走あり(Max)ジャンプ。

助走ありジャンプで一番跳んだのは、カシアス・スタンリーくんの44インチ(約112cm)。期待どおりの高さ! 昨季初めのカレッジ(Duke)公式測定では、46.5インチ(約118cm)で、前年にザイオン・ウィリアムソンくんが出した学校記録を打ち破ってました。(参考)Duke時代のTOP10ダンク動画置いておきますね。

二番目に高かったのは、タイラー・ベイくんの43.5インチ(約110.5cm)。三番目に高かったのは、ジャレン・ハリスくんの42.5インチ(約108cm)。あとは、ウドカ・アズブキーくんとラマー・スティーブンスくんが41インチ(約104cm)、デボン・ドットソンくんが40.5インチ(約103cm)で、この6人がMax40インチ越え。ドットソンくんは昨年のドラフトコンバインではMax38.5インチでした。ご参考まで。

助走ありでもなしでもTOP5同じコですね。ジャレン・ハリスくん、タイラー・ベイくん、ラマー・スティーブンスくん、カシアス・スタンリーくん、ウドカ・アズブキーくん。タイラー・ベイくんのハイライト動画置いておきますね。

助走なしで34インチ越えだったヨーリ・チャイルズくんは、Maxも38.5インチ(約98cm)と高いです。Maxでは40インチ越えだったドットソンくんですが、助走なしだと31.5インチと低めです。(平均のちょい上くらい)。でも去年のドラフトコンバインでも助走なしでは30インチと低めだったので、おかしい数値ではなさそう。

と、ここまで去年とか一昨年の自記事と見比べたりしながら書いてたんだけど、去年も一昨年もジャンプが低かったコのこと書いてなかった!これ高い方でテンション上がり過ぎて低い方書くの忘れてたと思われ。そして今それに気づいたという…

助走なしジャンプが低かったTOP3は、ケイレブ・ウェッソンくんの21.5インチ(約54.5cm)、ネイサン・ナイトくん(Nathan Night)の23インチ(約58.5cm)、カシアス・ウィンストンくんとメイソン・ジョーンズくん(Mason Jones)の24インチ(約61cm)。助走ありジャンプが低かったTOP3は、ケイレブ・ウェッソンくんの27インチ(約68.5cm)、カシアス・ウィンストンくんの28インチ(約71cm)、メイソン。ジョーンズくんの31インチ(約79cm)。

さっきちょっと書いたアズブキーくんのジャンプの数値について思うところがあるっていう話、2年前のドラフトコンバインでの測定数値とちょっと比べてみましょう。

20182020
靴なし6'10"6'10"
靴あり7'0.25"6'11.5"
Standing Reach9'4.5''9'1"
助走なしジャンプ3137
助走ありジャンプ31.541

2018年の助走なしジャンプ31インチも高めな数字ですが、助走あり31.5インチはかなり低めで2018年のワースト5です。まぁこれはこれでジャンプ失敗したんじゃないのとか思っちゃうんですが(笑)。それにしても、今年の数値が助走なしで6インチ(約15cm)、助走ありで9.5インチ(約24cm)高くなってるのは、ちょっと伸びすぎじゃないの?とか思っちゃうわけです。

気になるのは、前の記事でも書いたとおりStanding Reachの値。2年前より3.5インチ(約9cm)低くなってるのは、ちょっと誤差とは云い難いのではと。靴あり身長が2年前より0.75インチ低くなってるから、これを差し引いても2.75インチ(約7cm)低くなってることに。

もし、アズブキーくんの今年のStanding Reachが去年と同じだとしたら、助走なしジャンプは34インチ、助走ありジャンプは37.5インチ、靴あり身長の違いを考慮すると、助走なし34.25インチ、助走あり38.25インチってことになります。

実際そうだってわけではなく、そういう可能性もあるよねって話です。まぁこれジャンプの数値の話であって、ここが違ったからといって到達点が変わるわけではありません。靴あり身長が違うから、過去の到達点との比較はそこら辺考慮する必要があるかもしれないけど…(フツーそんなの気にしないですかそうですか)

最高到達点TOP5

Standing Reach + 助走あり(Max)ジャンプで計算してます。フィートをインチに換算して足してから、またフィートに換算とかしてるので(手計算じゃなくてExcelに計算式入れてるけど)、怪しい数字があったら各自検算の上、お知らせいただけると助かります🙏

あと、Standing Reachも助走ありジャンプも靴ありで測定してるはずなので、ここには靴あり身長を参考に載せておきます。

名前
最高到達点 / 靴あり身長

1. ウドカ・アズブキー(Udoka Azubuike)
12’6″(約381cm) / 6’11.5″(約212cm)

2. タイラー・ベイ(Tyler Bey)
12’5″(約378.5cm) / 6’7″(約200.5cm)

3. ポール・リード(Paul Reed Jr.)
12’3″(約373.5cm) / 6’9.25″(約206cm)

4. カリル・ホイットニー(Kahlil Whitney)
12’0.5″(約367cm) / 6’7″(約200.5cm)

5. ニック・リチャーズ(Nick Richards)
12’0″(約365.5cm) / 6’11.5″(約212cm)

5. ママディ・ディアキテ(Mamadi Diakite)
12’0″(約365.5cm) / 6’10.25″(約209cm)

ウドカ・アズブキーくんが最高到達点1位! 数値怪しんでるとか言いましたけど、ハイライト動画見るとやっぱり高い! アズブキーくんFTが入れば最強だと思ってます💪

TOP5の最高到達点が12フィート以上っていうのは、去年と同じくらいな感じですが、上位2人はかなり高いです。ちなみに去年のタコくんの最高到達点は12’5″、それを上回ったケニー・ウッテンくん(Gリーグキャンプ)の最高到達点は12’6.5″でした。ご参考まで。

この5人のうち、ホイットニーくんとディアキテくんは、Wingspanのとこ以外では名前を上げてませんが、Standing Reachも高め、ジャンプも高めです。

全体的に身体能力が高そうなコたち

すべての体力測定の項目で良い成績だったのは、ジャレン・ハリスくん、ラマー・スティーブンスくん、グラント・リラーくん、ロバート・ウッダードくん、デボン・ドットソンくん、ジョシュ・グリーンくんあたりかな。あとはジーク・ナジくんがShuttle Runだけ他のコと比べて遅いんだけど、前述のようにShuttle Runの数値はビミョーなので…

優秀なコ多いですよね。最初に書いたとおり体力測定の数値出てるのって、36人だけなので2割くらいのコが全体的に身体能力高そうってことになります。

カシアス・スタンリーくんもかなりいいんだけど、Lane Agiltyだけ遅めです。ヨーリ・チャイルズくんもかなりいいけど、Sprintは平均くらい。ポール・エボアくんもかなりいいけど、ジャンプがそこそこ。

さらに、高さ(Standing Reach)と長さ(Wingspan)も含めると、ロバート・ウッダードくんとジーク・ナジくんが、今年のドラフトコンバインでは最も優秀な感じ!(ナジくんのShuttle Runは考慮してないけど) ジーク・ナジくんのハイライト動画を置いておきますね。

あとは、ポール・エボアくんもかなりよいですが、前述のようにジャンプがそこそこ。最高到達点2位のタイラー・ベイくんもかなりよいですが、Lane Agilityが平均よりやや遅めでした。

以上!

数値の整合性とかビミョーなとこもあるかもですが、数値眺めて、あれこれ考えたりするのが楽しいので、例年とは違う形式でも身体測定・体力測定の数値出してもらえてよかったです!! 結局それ!

さて…ひとまず(アタシ的に)最低限の予習は済ませたけど、本題じゃないとこ考えるのに時間使ってばっかりで、もうこんな時間に…明日の朝までにお気に入りのコたちについて書けるかな…今のところ少しは書くつもりでいるんだけど…